モグニャンを食べると尿路結石になるの?ペットフードアドバイザーが徹底解説!

モグニャンは、猫ちゃんがよく食べてくれると評価が高く、愛猫にも試してみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

ですが、モグニャンの口コミを調べてみると、モグニャン・尿路結石といったサジェストキーワードが見られたり、モグニャンは尿路結石の猫にはよくない、といったウワサが書かれているのをみかけます。

そのようなウワサや口コミを見てしまうと、本当に愛猫に食べさせても大丈夫なのかと、不安になりますよね。

そこで今回、ペットフードアドバイザーの私が、モグニャンを食べることで尿路結石になるのかや、猫の尿路結石の原因や予防法を詳しく説明します。

この記事を読むと、モグニャンを食べると尿路結石になることがあるのか、尿路結石になったことがある猫が食べても大丈夫なのかがわかります。

そして、尿路結石になる原因や予防法を知ることで、モグニャンを食べることへの不安がなくなり、安心して愛猫にモグニャンを与える事ができます。

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モグニャンを食べると尿路結石になる!?

モグニャンの口コミの中に「モグニャンを食べたら尿路結石になった」と書き込みがあり、愛猫にモグニャンを与えても大丈夫なのか不安になりますよね。

▼よくない口コミは気になります

モグニャン食いつき良さそうだけど尿路結石なったという口コミをたくさん見たので怖いのである
高ければいいのではない。
あと海外とかのあまりにも高すぎるフードは流通してないから高いのであって高い＝必ずしも成分がいいわけではないという。

— れおん🐈 (@leon_nyaaaaan) May 8, 2023

友人からモグニャンを食べてから、尿路結石になってしまったと聞いたんだけど心配だな

そうだね、でも猫が尿路結石になるのは、全部原因があるんだよ

結論から言えば、モグニャンを食べたことで尿路結石になってしまうことは、ほぼないと言えます。

なぜなら、尿路結石になってしまう直接的な原因はモグニャンではないからです。

モグニャンを食べても尿路結石にならない3つの理由

モグニャンを食べても尿路結石にならない理由は、次の3つです。

モグニャンは全年齢の猫が食べることができる、小粒の乾燥フードです。人が食べることができるヒューマングレードで作られ、もちろん栄養価も申し分なく含まれています。

特徴として白身魚を63%使用し愛猫の食欲を誘い、猫が消化しにくい穀物の代わりにサツマイモやジャガイモを使い炭水化物を確保するなど工夫がされています。

また、添加物や人口保存料は不使用です。

▼モグニャンの原材料

引用：モグニャンの公式サイト

3つの理由をそれぞれ詳しく説明します。

①モグニャンは動物性食材が多く使われているから

モグニャンの特徴として、白身魚を63%使用されていて半分以上が動物性の材料です。

尿路結石には種類がありますが、猫の尿路結石の半分以上がストルバイト尿路結石です。ストルバイト尿路結石は、オシッコの成分がアルカリ性になることが原因で身体の中に尿石が生成されることが原因です。

動物性材料を多く食べることで、オシッコは酸性に傾く傾向があり、動物性材料を多く使用したモグニャンは尿石を体内で作りにくくする効果がありますので、むしろおすすめできます。

モグニャンは猫ちゃんの食いつきがいいと評判だけど、たくさん白身魚が入っているからおいしいんだね

おいしいだけじゃなく尿石予防にもなるから一石二鳥だね

②モグニャンに含まれるマグネシウム量は適量で多くないから

猫の尿路結石の半数をしめると言われるストルバイト尿路結石のストルバイトは鉱石の名前で、マグネシウム、リン酸、アンモニウムが結合し結晶化したものです。

尿石の素となる、マグネシウムを取りすぎるとオシッコが作られるときに結晶化して尿路結石の原因になります。

モグニャンに含まれるマグネシウムの量は記載されていませんが、問い合わせたところ0.12%だということがわかりました。

▼マグネシウム含有量の比較

※ AAFCO基準とは、アメリカの全米飼育検査官協会が健康的な猫の体を目指すために、最低限の基準を設定したもの。

AAFCOの数値はあくまでも最低限の数値です。モグニャンに含まれるマグネシウムが決して多いわけではないことがわかります。

そもそもマグネシウムは、猫の体に必要な成分であり適正量は約0.15%なので、範囲内で確保されていると言えます。

③そもそも尿路結石の予防に大切なのは、水分の摂取だから

食事に気を付けて、尿石が体の中に作られないようにすることも大切ですが、オシッコが濃い状態だと、成分が結晶化して尿石ができやすくなります。

さらにオシッコの量が少ないと、体の中にオシッコがたまっている時間が長くなり結晶化しやすくなります。

水分をあまりとらないことで、オシッコが濃く、オシッコを出す量の少ない猫は尿路結石になりやすいと言えます。

モグニャンって尿路結石になったことのある猫が食べても大丈夫?

モグニャンは、オシッコを酸性にする動物性材料が多く使われているので、ストルバイト尿路結石の対策になります。

モグニャンを食べることで尿路結石になる可能性は極めて低いと言えますが、不安があるようでしたら、かかりつけの獣医さんに相談するとよいでしょう。

猫の尿路結石ってどんな病気？

尿路結石は、オシッコ(尿)が通る道(尿路)に石(結石)がつまってしまう病気です。

尿路とは腎臓(じんぞう)というオシッコを作る臓器からオシッコをためる臓器の膀胱(ぼうこう)までの間をつなぐ尿管と呼ばれる道と、膀胱から体の外にオシッコを出すまでに通る道である尿道をさします。

石(結石)は、尿の中の成分が結晶化したもので、結石が作られやすい条件も様々です。

▼猫のオシッコが作られて排泄されるまで

引用：KAO 猫の泌尿器ケア研修会

▼もう改善したのでしょうか

尿路結石になったのは
この子です<(_ _*)>#モグニャン#尿路結石 pic.twitter.com/NRrp4k997e

— にゃんこ (@nyandainyan) June 7, 2019

お腹の中に石ができるなんて…なんだか怖いね

結石ができやすい体質の子も多いみたいだし注意しないといけないね

猫の尿路結石の種類とその原因

猫の尿路結石は大きく分けて次の2つです。

2つの尿路結石を詳しく説明します。

①ストルバイト尿路結石

猫のストルバイト尿路結石は、オシッコの成分アルカリ性に傾くなど、いくつかの原因から体内でストルバイトが作られオシッコとして排出される際に大きく結晶化してしまったものが、尿路に引っかかってしまう病気です。

ストルバイトは鉱物の名前で、リン酸、アンモニウム、マグネシウムから成る結晶で、中性やアルカリ性の水には溶けないのですが、酸性の条件であれば容易に溶ける物質です。

ストルバイト尿路結石は、猫の尿路結石の過半数をしめ、オシッコがアルカリ性になると体の中で作られやすくなります。オシッコがアルカリ性に傾く原因としては、食事でタンパク質やリン、マグネシウムを取りすぎたり、水分が足りなかったり、細菌に感染することで細菌の作り出す物質が原因になります。

若い猫がなりやすいと報告があります。

▼ストルバイト尿路結石の原因

ストルバイトは若い子に多い結石で尿のｐHがアルカリ性に傾くとできやすくなります。尿がアルカリ性に傾く原因としては食事中の蛋白質やリン、マグネシウムの量やウレアーゼという物質を産生する細菌の感染が挙げられます。

引用：おだわら動物病院

ストルバイト尿路結石の治療法として、水分を多くとらせて、オシッコと一緒に体外に排出されるのを待つか、食べる物でオシッコの成分を調整して結晶化したストルバイトを溶かす方法があります。

▼ストルバイト尿路結石の治療法

治療としてはストルバイトは尿のｐHを酸性にすることで溶けてくれます。なので蛋白質やリンなどを制限した療法食を食べることや尿酸化剤を飲むことで治療できます。それに加え細菌感染がある場合は抗生物質による感染のコントロールが必要です。

一度ストルバイトが出来てしまった子は何度も再発することが多いため良くなったからと療法食をやめることはおすすめしません。

引用：おだわら動物病院

②シュウ酸カルシウム尿路結石

シュウ酸カルシウムは、シュウ酸塩とカルシウムから成る、針のようにとがった結晶で、水に溶けにくい物質です。

猫のシュウ酸カルシウム結石は、オシッコの成分が酸性に傾くことで、体の中でシュウ酸カルシウムの結晶が作られ、オシッコとして排出する際に、針状の結晶が尿路に引っかかったり、傷をつけたりする病気です。

猫の尿路結石の原因として、ストルバイトの次に多い原因とされています。

シュウ酸カルシウムは特定の植物の根や茎に含まれ、少量ですがホウレンソウにも含まれます。

シュウ酸カルシウム尿路結石の治療法として、水分を多くとらせてオシッコと一緒に体外に排出する方法がメインとなりますが、結晶が一度大きくなってしまうと食事療法などで溶かすことができないため手術をして取り出すことになります。

▼シュウ酸塩カルシウム尿路結石の治療法

薬や食事療法で溶かせないのが大きな特徴です。尿道を通過できる大きさであれば排尿促進により除去できますが、それ以上の大きさの場合外科摘出が必要になることもあります。

引用：西山動物病院

猫が尿路結石になったときの症状

次の症状が出ている場合、尿路結石になっている恐れがあります。

▼尿路結石の影響でオシッコがでない猫ちゃんの様子です

オス猫はメスに比べ尿管が細く結石が詰まりやすく尿路結石になりやすいです。最悪1日以上オシッコが出ないと、尿毒症になってしまい命に係わる状態になってしまうので注意が必要です。

▼尿路結石になった猫の症状と注意点

• 血尿、頻尿、排尿障害
• 排尿時に痛がる、鳴く
• 尿が出なくなる（要注意！）

痛みでおしっこの異常がみられることや、これまでに尿路疾患を起こした病歴があるか、といった情報も大切になります。また、尿道などに尿石がつまり、尿が出なくなってしまうと、猫にとっては非常な危険な状態になります。

尿石症が疑われる子で、２４時間尿が出ていない場合などはすぐに動物病院の受診を検討してください。

引用：西山動物病院

尿路結石の予防法

猫の尿路結石の予防法として、次の3つが効果的です。

3つの尿路結石の予防法を詳しく解説していきます。

①水分をしっかり飲ませる

猫はあまり水分を必要としない動物だと言われますが、水分が少ないことでオシッコが濃くなり尿路結石になりやすくなります。ウェットタイプのフードを与えたり、水を飲みやすい工夫をして水分をとらせオシッコをたくさんしてもらいます。

また、水を飲む量が少ないとオシッコが濃くなるので、水分を多くとり、オシッコが濃くならないようにすると共に、結晶化する前に一緒に出してもらうことが大切です。

▼お水を飲んでもらう工夫です

②食事による尿のpH調整をする

オシッコの成分は、弱酸性の状態で結石の予防ができます。

ですが猫の体質や体調、ストレスの状態、普段食べる食事によってアルカリ性や酸性に偏る場合があります。

尿路結石の原因である、ストルバイトは、オシッコがアルカリ性に偏ると結晶化しやすく、シュウ酸カルシウムはオシッコが酸性に偏ると結晶化しやすくなります。

あなたの愛猫の普段のオシッコの成分を知り、フードの特性を合わせることで結石の予防ができます。

モグニャンは動物性材料が多くて酸性傾向だから、ストルバイト尿路結石の予防におすすめだよ

③猫が排泄しやすい環境を整える

トイレをきれいに保ち、快適な場所に設置することで、トイレに行くことが嫌にならないように整えます。トイレが汚れていたり、トイレが寒い場所にあるとオシッコに行く頻度が少なくなっているかもしれません。

いろいろな場所にトイレを設置することも効果的です。

▼尿路結石ができにくくする方法

まとめ

この記事では、モグニャンを食べると尿路結石になるのではないかという疑問について解説してきましたが、不安は払拭されたと思います。

モグニャンは、あなたの愛猫の健康を維持する良いキャットフードです。ぜひ1度試してみてください。

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